磁気記録の参照
自動改札機に通すことが可能な切符の裏が茶色、または黒色になっていることは多くの人が気づいていることでしょう。切符の裏面には磁性体が塗布されているため茶色、または黒色になっています。切符の裏面に磁性体を塗布することで磁気情報の記録が可能になり、自動改札機はこの情報を読むことで切符が有効かどうかの判断を行っています。
余談になりますが、スルッとKANSAIやパスネットのカードは、磁性体の上に印刷用の層があるため、カードに磁気情報が記録されていますが色は茶色(黒色)ではありません。
磁性体の色が2種類あるのは、塗布されている物質(酸化鉄)の違いによるものです。黒色のほうが茶色のものに比べて磁気情報の保持力(保磁力)が高くなっており、最近はもっぱら高保磁券(黒色)が使用されています。
磁気切符用の磁性体を製造しているメーカーとしては、日立マクセル(株)があります。
磁気情報の解析方法
磁気切符に記録されている情報は、次のような方法で簡単に見ることができます。
使い捨てカイロなどの鉄粉を細かく砕き、磁気面にふりかける | |
磁気面の余分な鉄粉を軽く振り落とす | |
セロハン・テープに磁気ラインをうつしとる | |
見やすくするために白い紙にセロハン・テープをはり、磁気データの解析を行う |
マグネット・ビューアー
鉄粉をふりかける以外の方法としてマグネット・ビューアー MV-95の使用があります。ガラス板と金属箔の間に磁性体が封入されており、磁気媒体に重ねることで磁気記録を確認することができます。
高価なツールですが、磁気記録解析時の鉄粉による汚れが発生せず非常に使い勝手が良いです。F2F方式の細かな記録も鮮明に表示されます。株式会社シグマハイケミカルから購入できます。
磁気フォーマット
磁気フォーマットは、日本鉄道サイバネティクス協議会(日本鉄道技術協会の特定部会)で定めています。記録方式としては、「NRZ-1」と「F2F(FM)」の2種があります。
(2024/1/1更新)